人材確保等支援助成金(CCUS活用促進コース)で従業員一人あたり16万円を受け取れると聞いたが、「うちの会社は対象になるのか」「何をすればいくらもらえるのか」——そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、令和7年度から中小建設事業主が直接申請できるようになった本制度の要件・申請手順・よくある失敗を、行政書士が2026年最新情報でわかりやすく解説します。
📌 この記事のポイント
- 令和7年度から中小建設事業主個社が直接申請可能になった(旧・普及促進コースは団体のみ)
- 技能者1人あたり16万円、年間上限160万円(10人分)、通算最大48万円(3回昇格分)
- 申請の絶対条件は「全技能者のCCUS詳細型登録完了」——簡略型では申請不可
- 計画届の提出期限は「賃金増額日の6〜2か月前」——期限を過ぎると遡及申請は一切不可
- 2026年4月からレベル判定手数料が全額支援(自己負担0円)——費用負担が少ない今の時期が準備に適しています
CCUS活用促進コースとは?令和7年度から何が変わったか
「人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)」は、厚生労働省が所管するCCUS活用促進を目的とした雇用関係助成金です。
(出典:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金(CCUS等活用促進コース)」厚生労働省公式ページ 参照日:2026-05-13)
令和7年度(2025年4月)の制度改正で、従来の「普及促進コース」が「活用促進コース」に改称・再編されました。名称の変更にとどまらず、対象者・助成内容・政策の方向性が大きく変わっています。
旧コース・新コースの比較表
| 項目 | 旧:普及促進コース(〜令和6年度) | 新:活用促進コース(令和7年度〜) |
|---|---|---|
| 申請できる主体 | 建設事業主団体のみ | 中小建設事業主個社も申請可 |
| 政策の重点 | CCUSへの登録促進 | CCUSを活用した技能者の処遇改善 |
| 助成の仕組み | 対象経費の2/3を補助 | 昇格技能者1人あたり16万円 |
| 申請窓口 | 都道府県労働局 | 都道府県労働局(同じ) |
令和6年度以前の「普及促進コース」の情報をお持ちの方はご注意ください。対象者・要件・助成内容がすべて変わっており、旧コースの手続きは流用できません。
受付期間は2025年4月1日〜2027年3月31日です(※受付期間は変更の可能性があります。申請前に厚生労働省公式ページで最新情報をご確認ください)。計画届の提出タイミングや年度予算の問題から、今年度中に準備を始めないと機会を失う可能性があります。
(出典:補助金データベース 参照日:2026-05-13)

👉 建設事業者のCCUS導入メリット7選【経審加点・助成金あり】
いくらもらえる?助成額と受給シミュレーション
基本の助成額
| 対象 | 助成額 |
|---|---|
| 昇格評定を受けた技能者1人あたり | 16万円 |
| 年間上限(1事業主あたり) | 160万円(16万円 × 最大10人) |
| 通算最大(技能者1人あたり) | 48万円(レベル1→2→3→4の3回昇格分)※ |
(出典:厚生労働省 公式ページ、参考資料 参照日:2026-05-13)
※通算受給の最大回数は公式支給要領でご確認ください。
従業員人数別の受給シミュレーション
⚠️ 免責注記:以下の試算は「昇格評定 + 賃金5%以上増加」の両方を満たした技能者の数が前提です。実際の受給額は認定された人数によって変わります。
| 申請人数(昇格評定+賃金5%増を満たした技能者) | 受給額の試算 |
|---|---|
| 3人 | 48万円 |
| 5人 | 80万円(旧コース比:個社申請で初めて実現) |
| 8人 | 128万円 |
| 10人(年間上限) | 160万円 |

通算最大48万円の内訳——レベル1→4まで昇格するケース
1人の技能者が3段階すべて昇格する場合、助成金は複数年にわたって受給できます。
- レベル1 → レベル2:16万円
- レベル2 → レベル3:16万円
- レベル3 → レベル4:16万円
- 合計:48万円
各昇格ごとに「計画届の提出→賃金増額→支給申請」のサイクルを繰り返す必要があります。
対象事業主・技能者の要件チェックリスト
事業主側の要件
- ✅ 規模要件:資本金3億円以下 または 常時雇用労働者300人以下の中小建設事業主
- ✅ CCUS事業者登録:CCUSに事業者登録済みであること
- ✅ 雇用管理責任者の選任:雇用管理責任者を選任・届出していること
- ✅ 雇用保険適用事業主:雇用保険の適用事業主であること
「中小建設事業主」の規模要件の詳細
資本金3億円以下または常時雇用労働者300人以下のいずれかを満たせばよい。両方を満たす必要はない。「常時雇用」は期間の定めなく雇用されている労働者を指す(短期雇用特例・日雇いは除く)。多くの中小建設会社はこの要件を満たす。
技能者側の要件
- ✅ CCUS詳細型登録:雇用するすべての建設技能者がCCUS詳細型で登録済み(簡略型では申請不可)
- ✅ レベル判定(昇格評定):能力評価制度によりレベルが一段階以上昇格したこと
- ✅ 賃金5%以上増加:昇格後12か月間の賃金が昇格前12か月間より5%以上増加していること
- ✅ 雇用保険の一般被保険者:対象事業所の雇用保険一般被保険者(短期雇用特例・日雇いを除く)
- ✅ 在籍の継続:事業開始日の前日から6か月前〜支給申請日まで離職していないこと
(出典:補助金データベース 参照日:2026-05-13)
賃金5%増加の計算方法——具体例
比較期間:昇格評定を受けた賃金増額改定日の前後それぞれ12か月間が対象です。
- 昇格前12か月の月平均賃金:300,000円
- 昇格後12か月の月平均賃金:315,000円
- 増加率:(315,000 − 300,000) ÷ 300,000 × 100 = 5.0% → 要件を満たす
- 増加率:(313,000 − 300,000) ÷ 300,000 × 100 = 4.3% → 要件を満たさない
注意:時間外手当・通勤手当・賞与などの扱いは公式支給要領で確認が必要です。社会保険労務士のチェックを受けることを推奨します。
雇用保険「一般被保険者」の定義——短期雇用特例・日雇いの除外
雇用保険には複数の被保険者区分があります。助成金の対象は「一般被保険者」に限られ、季節的に雇用される「短期雇用特例被保険者」や「日雇労働被保険者」は対象外です。雇用形態に応じて確認してください。
申請の流れとスケジュール:計画届から支給申請まで
【STEP 1】事前準備(賃金増額日の6か月前〜)
全技能者のCCUS詳細型登録を確認・変更完了させる
雇用管理責任者を選任し届出を済ませる
対象技能者のレベル判定申請を進める
↓
【STEP 2】賃金改定整備計画書の提出(賃金増額日の6〜2か月前の前日まで)
「賃金改定整備計画書」を作成し、管轄の都道府県労働局へ提出する
労働局の認定を受けてから次のステップへ
↓
【STEP 3】取組の実施(計画期間中)
認定を受けた計画書どおりに賃金を5%以上引き上げる
賃金台帳・出勤簿などの証拠書類を整備・保管する
↓
【STEP 4】支給申請(賃金増額改定後12か月末日の翌日から2か月以内※)
管轄の都道府県労働局へ支給申請書・添付書類一式を提出する
※正確な申請期限は公式Q&A(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001672964.pdf)および管轄労働局にご確認ください
↓
【STEP 5】助成金の受給
労働局の審査後、指定口座へ振り込まれる

逆算スケジュール例
例:2026年10月1日に賃金を引き上げたい場合
| 時期 | やること |
|---|---|
| 2026年4月(6か月前〜) | CCUS詳細型登録の確認・未登録者の変更手続き開始 |
| 2026年5〜6月 | レベル判定を申請・受審(結果まで1〜2か月) |
| 2026年4〜7月31日(期限) | 計画届(賃金改定整備計画書)を都道府県労働局へ提出 |
| 2026年10月1日 | 賃金増額改定を実施(昇格評定を受けた技能者のみ) |
| 2027年10月〜11月末(期限) | 支給申請書を都道府県労働局へ提出 |
⚠️ 計画届の提出期限について:賃金増額日の「2か月前の前日」が絶対的な期限です。期限を1日でも過ぎると、その賃金増額に対する助成金申請は一切できなくなります。管轄の都道府県労働局によって運用が異なる場合があるため、スケジュールは事前に担当窓口へ確認することを強く推奨します。
申請書類チェックリスト
申請は「計画届の提出」と「支給申請」の2段階に分かれます。それぞれの段階で準備が必要な書類を以下にまとめました。
⚠️ 免責注記:掲載している書類リストは公開情報をもとに作成していますが、制度改正により変更される場合があります。提出前には必ず管轄の都道府県労働局に最新の必要書類をご確認ください。
第1段階:計画届(賃金改定整備計画書)の提出書類
賃金増額日の6〜2か月前の前日までに、本社所在地を管轄する都道府県労働局へ提出します。
| # | 書類名 | 様式番号 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | 人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)計画届 | 建活様式第1号 | 厚生労働省ウェブサイトよりダウンロード |
| 2 | 改定前賃金総額内訳確認票 | 建活様式第1号別紙1 | 計画届の添付書類 |
| 3 | 計画期間前の賃金台帳 | — | 基本給・各種手当など支払い状況が確認できるもの |
| 4 | 労働保険料算定基礎の賃金総額内訳書 | — | 改定前の賃金総額確認用 |
| 5 | 増額改定の概要がわかる資料 | — | 算定対象人数・増額割合などを記載したもの |
| 6 | 管轄労働局が求める書類 | — | 労働局の指示に従い追加提出 |
(出典:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金」申請様式ページ 参照日:2026-05-13)
第2段階:支給申請の提出書類
賃金増額改定後12か月末日の翌日から2か月以内に、管轄の都道府県労働局へ提出します。
| # | 書類名 | 様式番号 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | 支給申請書 | 建活様式第3号 | 厚生労働省ウェブサイトよりダウンロード |
| 2 | 改定後賃金総額内訳確認票 | 建活様式第3号別紙1 | 支給申請書の添付書類 |
| 3 | CCUS等活用促進事業疎明書 | 参考様式1 | 全技能者がCCUS詳細型登録済みであることの証明 |
| 4 | 能力評価結果通知書 または 建設キャリアアップカードのカラーコピー | — | 昇格評定を受けた技能者全員分 |
| 5 | 改定前後12か月分の賃金台帳 | — | 賃金改定前12か月・改定後12か月の双方が必要 |
| 6 | 出勤簿・タイムカード等 | — | 賃金台帳と対応する出勤状況確認書類 |
| 7 | 給与規程・賃金テーブル・手当規程など | — | 増額改定後の固定賃金の内容が確認できる書類(申請日時点で有効なもの) |
| 8 | 管轄労働局が求める書類 | — | 労働局の指示に従い追加提出 |
(出典:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金」申請様式ページ 参照日:2026-05-13)
書類準備のポイント
計画届を出す前に確認すること
- CCUS技能者登録(詳細型)が全従業員分完了しているか
- 改定前の賃金台帳が保管されているか
- 改定予定の賃金テーブル・給与規程が整備されているか
支給申請前に確認すること
- 対象技能者のCCUSレベル判定(能力評価)が完了しているか
- 賃金5%以上の増額が給与規程・賃金台帳で証明できるか
- 賃金台帳は改定前後それぞれ12か月分揃っているか
よくある失敗と対策:詳細型登録・計画届・賃金計算の落とし穴
❌ 失敗1:技能者の登録が「簡略型」だったため申請できなかった
状況:CCUS事業者登録は完了していたが、技能者の登録が簡略型(2,500円)で済ませていた。
結果:申請の絶対条件を満たしておらず、計画届を出すことができない。詳細型への変更手続きには1〜2か月かかることがあり、計画届の提出期限に間に合わなくなるケースもある。
対策:今すぐCCUSポータルサイトにログインし、雇用するすべての技能者の登録種別を確認する。「詳細型」と表示されていれば問題ない。「簡略型」であれば変更手続きを直ちに開始する。
❌ 失敗2:計画届の提出期限を見落とし、申請できなくなった
状況:賃金を引き上げようとしたが、その2か月前の前日を過ぎてから計画届を準備し始めた。
結果:当該賃金増額については申請不可。次の賃金増額の機会まで1年以上待つことになる。
対策:「いつ賃金を引き上げるか」を先に決め、そこから逆算して計画届の提出期限をカレンダーに入れる。準備は最低でも4か月前からの開始を強く推奨する。
❌ 失敗3:賃金5%増加の計算ミスで支給申請が却下された
状況:「月給を5%上げた」と認識していたが、賃金台帳の記録方法や12か月間の比較計算の解釈に誤りがあり、書類提出後に要件未達と指摘された。
結果:支給申請が却下され、再申請対応に時間と手間がかかる。
対策:計画届の段階から賃金台帳の整備・計算方法の確認を行う。賃金5%増加の計算は社会保険労務士のチェックを受けることが最も確実。

CCUS登録・レベル判定が未完了の場合はここから始める
助成金を受け取るための前提条件を整えるステップを解説します。まだCCUSの事業者登録が済んでいない方は、先にそちらを完了させてください。
👉 CCUS事業者登録の手順・必要書類・費用を完全解説【2026年最新版】
ステップ A:全技能者をCCUS詳細型で登録する
技能者登録の費用は簡略型2,500円・詳細型4,900円です。すでに簡略型で登録済みの技能者は、詳細型への変更手続きが必要です。変更は技能者本人またはCCUSの代行申請で対応できます。
(出典:CCUS公式「登録・申請」公式ページ 参照日:2026-05-13)
👉 CCUS技能者登録の手順・必要書類・費用を完全解説【2026年最新版】
ステップ B:レベル判定(能力評価)を申請する
レベル判定は職種ごとの能力評価団体が実施します。申請から判定結果まで通常1〜2か月かかるため、計画届の提出タイミングを見据えて早めに動く必要があります。
💡 2026年4月〜当面の間、レベル判定の申請手数料(通常4,000円)が全額支援されており、自己負担0円でレベル判定を受けることができます。
(出典:CCUS公式サポートオフィス 参照日:2026-05-13)
この手数料支援と本助成金(16万円/人)を組み合わせると、実質コストゼロでレベルアップ+助成金受給という非常に有利な状況が実現できます。この支援期間が終了する前に動き出すことを強くお勧めします。
👉 【2026年度 手数料無料】CCUSの能力評価(レベル判定)申請手順を完全解説
よくある質問(FAQ)
CCUS活用促進コースの助成金はいくらもらえますか?
レベル判定で昇格評定を受け、賃金を5%以上増加させた技能者1人あたり16万円です。年間上限は160万円(10人分)。1人の技能者がレベル1から4まで3段階昇格する場合は通算で最大48万円になります。
(出典:厚生労働省 公式ページ 参照日:2026-05-13)
うちの会社のCCUS登録が「詳細型」かどうか、どうやって確認しますか?
CCUSポータルサイト(ccus.jp)にログインし、「技能者情報」から各技能者の登録種別を確認します。「詳細型」と表示されていれば申請要件を満たしています。「簡略型」の場合は詳細型への変更手続きが必要です。変更は行政書士に依頼することもできます。
計画届の提出期限を過ぎてしまったらどうなりますか?
その賃金増額に対する助成金申請は一切できなくなります。遡及申請は認められていません。次の賃金増額改定日を設定し、改めて6〜2か月前のタイミングで計画届を提出するところから始めることになります。
行政書士に依頼できますか?社労士でないといけませんか?
役割が異なります。CCUS技能者の詳細型登録・レベル判定受審のサポートは行政書士の業務範囲です。助成金の申請書類作成・都道府県労働局への提出は社会保険労務士(社労士)の専権業務です。CCUS登録から助成金申請まで一貫してスムーズに進めるには、行政書士と社労士が連携する体制が最も効果的です。
旧・普及促進コースと同じ手続きで申請できますか?
できません。旧コース(〜令和6年度)は建設事業主「団体」のみが対象で、助成内容・要件も異なります。令和7年度からの「活用促進コース」は制度として別物です。旧コースの申請書類・手順は流用できませんので、必ず新しい要件・書式で手続きを進めてください。
まとめ:今すぐできる最初の3ステップ
CCUS活用促進コースで助成金を受け取るために、今日から取り組める具体的なアクションを3つ示します。
- 全技能者のCCUS登録種別を今日中に確認する
CCUSポータルにログインし、雇用するすべての技能者が「詳細型」で登録されているかを確認します。簡略型の技能者がいれば、今すぐ詳細型への変更手続きを開始してください。 - レベル判定の予約を今月中に入れる
詳細型登録が完了したら、職種ごとの能力評価団体にレベル判定を申請します。現在(2026年4月〜当面)は手数料全額支援中で自己負担0円です。申請から結果まで1〜2か月かかるため、早期に動いてください。 - 計画届の提出期限を逆算してカレンダーに入れる
「いつ賃金を引き上げるか」を決め、その6〜2か月前が計画届の提出期限です。期限を過ぎると申請できなくなるため、今日のうちにスケジュールを確認してください。
参考資料
- 厚生労働省「建設事業主等に対する助成金(CCUS等活用促進コース)」公式ページ(参照日:2026-05-13)
- 厚生労働省 支給要領・Q&A(令和8年4月版)PDF(参照日:2026-05-13)
- 厚生労働省 リーフレット PDF(参照日:2026-05-13)
- 補助金データベース「人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)」参照ページ(参照日:2026-05-13)
- 株式会社ファーストコーポレーション「CCUS助成金・活用促進コースの創設」記事(参照日:2026-05-13)
- CCUS公式「登録・申請」公式ページ(参照日:2026-05-13)
- CCUS公式サポートオフィス「レベル判定手数料全額支援」note記事(参照日:2026-05-13)
